ジブリの最高傑作「天空の城ラピュタ」。
何度も観ているのに、テレビで放送されるたびに観てしまう方は多いでしょう。
しかし何度鑑賞してもイマイチよくわからない部分がありませんか?
それはラピュタの人々が地上に降りた理由です。
さらに、どうしてラピュタにはもう人がいないのでしょうか。
劇中でちょこちょこ説明されてはいますが、ちょっと理解しにくいです。
そこでこのページでは、以下を考察したいと思います。
- ラピュタはなぜ地上に降りたのか
- ラピュタに人がいない理由
これがわかると、より一層面白くなるかも!
ラピュタはなぜ地上に降りた?
天空に城を作り、全人類の夢のような暮らしを実現させたラピュタ人。
しかし700年前に地上に降りて生活する道を選びました。
せっかく手に入れた楽園での生活を捨てたんだから、よっぽどの理由があったはずですよね…。
その理由を考えてみたいと思います。
正体不明の疫病に襲われたから
彼らが天空の城を捨てた理由について、劇中では詳しく語られていません。
ところが、公式本のロマンアルバムにはこのような内容が書かれています。
人々は最高に贅沢な暮らしをしていた
⇩
しかし正体不明の疫病が広がった
(免疫系を弱らせる病気だった)
⇩
瘦せ衰え、ちょっとした病気にも耐えられなくなった
このような状況に陥ったことで、王族たちは天空を離れて地上に戻る決断をしたとされています。
この疫病の理由については詳しく書かれていません。
ただし、「免疫力が低下する病気」ということはわかっています。
- 安全すぎる無菌状態での生活
- ロボットや機械に頼る便利すぎる生活
- 贅沢なものばかりの栄養が偏った食生活
このような生活により、体力や免疫力が下がってしまったのかもしれませんね。
健康を維持するために免疫力は非常に大事なもの。
現代人も食生活の乱れやストレスなどで免疫力が下がりがちと言われています。
近い未来、彼らのようになってしまうのかも…。
自然と生きる大切さを知っていたから
疫病が蔓延した後。
彼らが天空の城を捨ててまで地上に降りたのは、自然と生きる大切さをよく知っていたからでしょう。
映画の最後のほうのシーンに、このことがわかるシーンがあります。
ラピュタが滅びた理由は、ゴンドアの歌からわかる
と話すシータ。
土に根をおろし、風とともに生きよう
という、あの歌ですね。
さらに彼女は、
どんなに凄い武器やロボットがあっても、
人は土から離れて生きることはできない
とも言っています。
彼らは高度な技術で天空での暮らしを発展させる一方で、人間本来の生き方の大切さも知っていた。
だから全ての人が死滅する前に、地上に降りる決断をしたのでしょう。
「自然と共に生きること」や「環境問題」は、他のジブリ作品でも見られるおなじみのテーマ。
地上に降りた理由として理解しやすいでしょう。
しかし!
もっと裏設定があるのでは?
と疑いたくなるのがジブリファン(宮崎ファン)ですよね!
次の章では、彼らが地上に降りた理由をさらに深堀りしてみたいと思います。
飛行石(原子力?)の力を恐れたから
人や物体を宙に浮かばせる強力な力を持つ飛行石。
地上の石にも含まれている物質ですが、空気に触れるとすぐに力が消えてしまうため使いものになりません。
ラピュタ人だけが結晶化する技術を持ち、これにより世界を支配していました。
実はこの飛行石は、
「原子力」の隠喩
という説があります。
天空の城は中央にある飛行石の力により浮かんでいます。
もしこの石が人体に悪い影響を与える物質を発しているとしたら…。
城で暮らす人々はジワジワと弱っていったのかもしれません。
これが正体不明の疫病だったというわけか…
この恐ろしい力に気付いたラピュタ人は、飛行石によって成り立っている天空の城を捨て地上に降りた。
このようなことが考察できます。
ポムじいさんのシーンに注目
ポムじいさんに飛行石を見てしまう場面。
わしには強すぎる
と言って、石をしまうように言うシーンがあります。
さらに彼は、
力のある石は人を幸せにもするが、不幸をまねくこともある
と言います。
飛行石を原子力に置き換えてみると、これらのセリフに重みを感じますね。
飛行石には植物を育てる力がある
ゴンドアの谷で、たった一人で生活できていたシータ。
その理由は、
飛行石の力で作物がよく育ったから
なのだとか。
確かに、女の子一人で農作物を育てるのは難しいはず。
これは宮崎監督が自ら明かしている設定です。
そして実は1950~60年代には、
放射線には植物の成長をよくする力がある
と言われていたそうです。
ますます、飛行石=原子力の説が有力に感じてきますね。
報復を恐れてゴンドアの谷に隠れていた?
天空で栄華を極めたシータの一族。
しかし地上に降りた後はゴンドアの谷という人里離れた場所に暮らしていました。
その理由は、地上の人たちからの報復を恐れて隠れていたから。
飛行石なんて危険なものを使い、最後は城を滅ぼしてしまった一族
として人々の怒りを買っていた可能性は高いですね。
ラピュタに人がいない理由もあわせて考察!
ここまで考察したような理由により、
いったん、地上に降りるしかない
となったラピュタ人。
この事情はとりあえず納得できました。
ところがわからないのは、
どうしてその後も天空の城に人がいなかったのか。
疫病が落ち着いた後、夢のような楽園に戻りたいと思った人はきっといたはず。
それが叶わなかった理由は何だったのでしょうか。
戻る方法がなかったから
天空に君臨し世界を支配していた王家は、地上に降りた時に2つに分かれました。
- トエル家(シータ)
- バロ家(ムスカ)
おそらく両家は争いにより分断したのでしょう。
そして、それぞれ以下のものを受け継いだのです。
- トエル家➡飛行石と呪文
- パロ家➡ラピュタ伝承の古文書
石があっても正しい使い方がわからないトエル家と、石がないパロ家。
両家が手を結ばない限りは、石を使ってラピュタに戻ることはできません。
シータとムスカの関係を見ると、両家の関係が良くなったとは思えません。
だから700年もの間、城に人が存在することはなかったのでしょう。
神の怒りに触れることを恐れたから
まるで神のように天空に城をかまえたラピュタ人。
彼らが疫病に襲われた時、
神を怒らせてしまった
と考えたのではないでしょうか。
有名なバベルの塔のようなことですね。
今後も天空に住もうとしたら、また神を怒らせてしまう。
だから敢えて飛行石&呪文をトエル家、パロ家に古文書だけを受け継がせて、ラピュタに戻る方法を封印したのかもしれません。
まとめ
ラピュタはなぜ地上に降りたのか、ラピュタがいない理由などを考察してきました。
【ラピュタが地上に降りた理由】
・疫病の蔓延
・自然と生きるべきだと思った
・飛行石(原子力?)の影響が裏設定?
【人がいない理由】
・戻る方法がなかったから
・神の怒りに触れることを恐れたから
このようなことが考えられます。
本作は様々な考察ができるところが醍醐味でもありますよね。
ご紹介してきた説を参考にもう一度本編をご覧いただくと、さらに面白い考察ができるかもしれませんよ。
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